「WEBデザインの仕事で失敗してしまった・・」
「何度も修正依頼があって、デザイン作成が終わらない・・」
という方向けに、この記事ではWEBデザインにヒアリングシートが必要な理由と、具体的なヒアリングシートの参考例、作成方法を解説しています。
WEBデザイナーの仕事は、クライアントの方とコミュニケーションを取りながら、認識のズレがないように進めていかなければいけません。
デザイン作成後に何度も修正依頼を受けたり、クライアントを満足させれない方は、ヒアリングシートを作成することをおすすめします。
ヒアリングシートをしっかりと用意している方とそうでない方では、制作物のクオリティが全く変わってきますし、当然収入も変わります。
仕事を円滑に進めたい方や、収入を増やしたい方はぜひこの記事を参考にして、ヒアリングシートを作成してみてください。
WEBデザインにヒアリングシートが必要な理由
WEBデザインの仕事を円滑に進めていくためには、ヒアリングシートを活用する必要があります。
ヒアリングシートとは、クライアントの要望を詳しく聞き出すことを目的とする「質問内容」のことです。
WEBデザイナーはサイトデザインを作成することが仕事ですが、最終的な目的はクライアントの目標を達成させることです。
クライアントの目標を達成できるデザインを作成するためには、しっかりとヒアリングを行うことが大切です。
クライアント側も、サイトデザインをただ作ることだけを目的に依頼している訳ではありませんが、具体的に最終的な目標を伝えてくれるとは限りません。
WEBデザイナーからクライアントの目標を聞き出す努力をしなければ、成果の出るデザインを作ることができません。
事前打ち合わせを行う際に、用意したヒアリングシートを活用することで、作成するデザインの方向性を固めることができます。
ヒアリングの工程を簡単に終わらせてしまうと、クライアントと認識のズレが生まれていることに気づかずに作業を進めてしまうことになります。
なので、この記事を参考にしてヒアリングシートを作ってみてください。
WEBデザイン制作のヒアリングシート参考例
WEBデザイン制作でヒアリングすべき内容は以下の通りです。最低限この内容を確認するようにしましょう。
- 基本情報
- 現状のサイトの情報
- 現状の課題点や目標
- ターゲットユーザー
- デザイン仕様
- コーディングやシステム仕様
- マーケティング分野
- 予算と納期
基本情報
基本情報では会社名や代表者名など、会社概要に必要な情報を確認します。
既存の会社ホームページを確認すれば知ることもできますが、念の為確認しておきましょう。
絶対に間違えてはならない情報ですし、信頼性に関わるポイントなのでミスのないようにしてください。
現状のサイトの情報
既存サイトのリニューアルとしてサイトデザインを作成する場合は、現状のサイト情報を確認します。
具体的には以下のような情報です。
- サイト名/アドレス/更新頻度/アクセス数
- サイト規模
- 契約サーバー名/パスワード/容量/SSL
- CMS
- ドメイン
- アクセス解析
- レスポンシブ対応
- SNSの利用
- 当社以外の外部パートナー
現状のサイト情報を元にして、問題点を探していきましょう。
現状の課題点や目標
現状の課題点や目標を確認して、達成できるデザインを作成します。
ターゲットユーザーと同じく、現状の課題や目標を聞き出さなければ、デザインを作ることができません。
クライアントの最終的な目標はどこにあるのか、現状は目標をなぜ達成できていないのかを確認して、現状から目標への掛橋となるデザインを作れるようにしてください。
ターゲットユーザー
ヒアリングで特に重要なポイントは、ターゲットユーザーを明確にしておくことです。
WEbデザイン制作は、ターゲットユーザーによって作るべきデザインが変わってくるので、事前にクライアントから聞き出しておく必要があります。
ターゲットは個人なのか法人なのか、年代や性別、住んでいる地域、年収、家族構成など確認しておくべきポイントはなるべく詳細に確認しておきます。
多くの場合はクライアント側でターゲットを提示してもらえるはずですが、新規事業や小さな会社では明確になっていない可能性も考えられるので、必ずヒアリングしてください。
デザイン仕様
サイトカラーやイメージなどデザインの仕様がクライアント側で決まっているのかヒアリングしておきます。
クライアントによっても変わりますが、具体的にデザインのイメージができている方もいれば、イメージがまだ不明確の方もいます。
なので、なるべくデザイナー側から具体的に仕様を確認しておきましょう。
- メインカラー
- ベースカラー
- アクセントカラー
- 希望するイメージ
- ロゴマークのデザイン
- 写真素材の有無
- 動画素材の有無
- テキストの有無
- 指定フォントやサイズ
まずは作成するデザインのメインカラー・ベースカラー・アクセントカラーを確認して、イメージしているデザインがあるかをヒアリングします。
クライアントの方がイメージしやすいように、サンプルデザインを複数用意しておくと良いでしょう。
そしてロゴや写真、動画やテキストなどの素材があるかを確認しておきます。
最低限上記の仕様を確認しておくことで、修正回数を減らして円滑に作業を進めることができます。
コーディングやシステム仕様
デザイン作成だけでなく、コーディングやサイト公開まで対応する場合は、コーディングやシステム仕様の確認を行います。
具体的には以下の内容です。
- 上位表示させたいキーワード
- meta情報
- SNS連携
- 外部サービス連携
- CMSの指定
- 対応デバイス
- 対応ブラウザ
- コンテンツ幅
- アクセス解析
必ずしもデザイン作成前にヒアリングするとは限らず、コーディング前に確認する場合もあります。
マーケティング分野
デザイン作成やコーディングだけでなく、サイト公開後の運用まで行う場合は、マーケティング分野をどのように対応するのかを確認しておきましょう。
サイトによっては公開後の保守運用や、修正業務、コンテンツの更新や広告運用まで対応するかもしれません。
収入を増やしたいWEBデザイナーの方は、将来的にマーケティング分野まで対応できるように対策しておくと良いでしょう。
予算と納期
契約前段階であれば予算や納期を必ず確認しておきます。
サイト規模や内容によって、制作期間は大きく変わってくるので、クライアントにしっかりと伝えるようにして、納期を決めるようにしておきましょう。
また、クライアントの予算によっては制作できない内容もあるはずなので、できないことはできないとはっきりと伝えるようにして、できれば価格表を用意しておき費用を明確にしておくと良いでしょう。
契約金額と納期は、最もトラブルが発生する原因になるポイントなので、確実に認識のズレをなくすようにしてください。
WEBデザイン制作ヒアリングシート作成方法
WEBデザイン制作のヒアリングシートを作成するには、以下の3つのツールを活用する方法があります。
- Googleドキュメント
- Googleフォーム
- Excel(Googleスプレッドシート)
ヒアリングシートは決まった書式がある訳ではないので、打ち合わせで活用しやすいように作成してみてください。
Googleドキュメント
Googleドキュメントはヒアリングシートを作成しやすいツールで、デフォルトで搭載されているテンプレートを活用すれば時間をかけずに作成できます。
共有リンクをクライアントの方に送ることで、打ち合わせ前に事前回答を求めることもできますし、打ち合わせ時のメモ代わりに使用することも可能です。
クライアント側にとっても馴染みがあるツールなので、活用しやすいのが特徴です。
Googleフォーム
Googleフォームはヒアリング項目を自由に設定できるツールで、お問い合わせページやサイトにGoogleフォームを配置しておくことで自動でヒアリングを行うことができます。
問い合わせがあった企業に、Googleフォームのurlを送信して回答してもらうこともできますし、対面で打ち合わせ行う場合は自分で回答して活用します。
Googleフォームで回答されたヒアリング内容は、Googleスプレッドシートに反映させることもできるので、管理しやすい特徴があります。
Googleフォームを活用してヒアリングを行う際のおすすめは、自動ヒアリング目的で使用することです。
対面でヒアリングを行う際は少し使い勝手が悪いので、自分のサイトやポートフォリオに設置して活用しましょう。
Excel(Googleスプレッドシート)
ExcelもしくはGoogleスプレッドシートも、Googleドキュメントと同様に活用しやすいツールで、ヒアリングシートを簡単に作ることができます。
セルの色分けやレイアウトの変更も自由に行えて、データ管理も行いやすい特徴があります。
ヒアリングシート用のテンプレートを活用すれば、質問内容を部分的に変更するだけですぐに作ることが可能です。
WEBデザイン制作のヒアリング注意事項
最後に、WEBデザイン制作のヒアリングを行う際の注意事項を紹介します。
- 無駄に時間をかけない
- 一緒に作っていく意識を持つ
無駄に時間をかけない
ヒアリングを行う目的は、クライアントの要望を聞き出して、目標を達成できるデザイン制作に役立たせることです。
もちろんヒアリングシートを細かく作成して、聞き漏れがないようにすることも大切です。
しかし、そのために無駄に時間をかけてヒアリングを行うことは避けなければなりません。
クライアント側としても、良いデザインを制作してもらうために、ヒアリングには時間をかけると思いますが、無駄な時間をかけたいとは当然思っていません。
そもそも、デザイン制作を行うリソースを避けないことが理由で依頼している可能性もあるので、ヒアリングで時間をかけすぎてしまえば意味がありません。
なので、ヒアリングを行う際は、事前にヒアリングシートをしっかり見直しておき、無駄な質問内容がないか、最低限の内容でまとまっているかを確認しておきましょう。
一緒に作っていく意識を持つ
ヒアリングを行う際は、クライアントと一緒にデザインを作っていく意識を持つことが大切です。
一緒に作る意識を持つことで、クライアントと認識より深くすり合わせをすることができます。
認識のすり合わせは、成果のデザインを作ることに繋がり、後々クレームが起きることも防げます。
クレームが起きる原因のほとんどは、ヒアリング段階で十分に認識が一致していないことが原因なので、一緒に良いデザインを作るという意識でヒアリングを行ってください。
WEBデザインに必要なチェックリスト20選はこちらの記事を見てください。
まとめ
今回はWEBデザイン制作でヒアリングシートを活用する理由や、具体的なヒアリング内容、作成方法やヒアリング時の注意点を解説しました。
ヒアリングシートを作成して打ち合わせを行うことによって、クライアントの要望を聞き出すことができ、打ち合わせに無駄な時間をかける必要がなくなります。
クライアントの目標を達成できる良いデザインを作成するには、ヒアリングシートを活用して聞き出すことが大切なので、この記事を参考にしてヒアリングシートを作成してみてください。