コロナ禍の影響で収入が減り、副業を始めた方は少なからずいらっしゃるかと思います。
そんな中で初めて副業を始められた方は
「副業に確定申告が必要なのかわからない!」
「そもそもいくらから確定申告は必要なのか?」
などといった疑問も当然浮かんでくることでしょう。
そこで、今回はそういったフリーランスや副業に取り組まれる方の確定申告について解説します。
まず確定申告とは「1年間の所得を計算し税務署へ申告し、それに応じた税金を納めること」を言います。
では副業とはどういった物の事を指すのでしょうか?
三省堂大辞林曰く、「本業以外に行う仕事」と表記されています。
つまり
・仕事が休みの時に行った短期アルバイト
・YouTube活動で収益を上げている
などの「仕事以外で収益の発生する事柄」が副業に該当します。
今回は、副業している人が確定申告をする必要性や、確定申告のやり方について解説しますので、最後までしっかり読んでください。
副業をしている人は確定申告のやり方を知っていた方がいい
では、副業をするにあたり、確定申告は必要なのでしょうか?
結論から言えば、必要な場合と必要でない場合があります。
確定申告をするべきかどうか?(副業で20万円を超えたらするもの)
確定申告をしなければならない場合の条件は
- 「働き先が1か所で、副業での(※1)所得金額が20万を超えた場合」
- 「働き先が複数で、年末調整をされなかった副業の給与の(※2)収入金額と、副業で給与以外の所得金額の合計が20万を越えた場合」
主にこの二つのケースに申告の義務が発生します。収入及び所得が20万円以下であった場合、税金にもさして影響が出ないので確定申告をする必要は無いとされています。
※1…給与、売上などの支払いを受ける総額
※2…収入金額から必要経費を引いた設け
赤字の場合は申告しない?
では、副業での収入で赤字になってしまった場合はどうでしょうか?
確かに所得、収入が20万を超えていないので、確定申告の必要はありません。
しかし、赤字の場合においても確定申告をしたほうが良いでしょう。
なぜ確定申告をしたほうが良いのか。
それは「将来利益が出た場合の節税に繋がるから」です。
確定申告のやり方として「白色申告」と「青色申告」があります。
詳しくは後ほど解説しますが、赤字になった際の確定申告で、将来の節税をするには「青色申告」でしか出来ません。
知っていた方がいい理由
ではなぜ、青色申告で赤字の確定申告をすると節税に繋がるのでしょうか?
収益で赤字が発生した場合、「損失申告」を行うと翌年以降「3年間の繰越控除」が認められるのです。
赤字を来年度の黒字分の利益で相殺することが可能であり、翌年以降、黒字であっても繰り越した赤字は課税所得から控除できるため、翌年以降も所得税を抑えることができ、結果として節税に繋がるという訳です。
しかし、誰でもこの損失申告が使える訳ではありません。
損失申告が使えるのは「青色申告書である確定申告書を提出している個人事業主」
が対象ですのでご注意ください。
副業での確定申告は青色申告がおすすめな理由
さて、上記した「青色申告」と「白色申告」ですが、副業での確定申告をするならば青色申告が断然おすすめです。
なぜならば、上記の損失申告を行った際、「多くの節税に繋がる」からなのです。
青色申告には、白色申告にはない「税金に関する多くのメリット」が存在します。
白色申告と青色申告の違い
では青色申告と白色申告はどう違うのかを見ていきましょう。
そもそも青色申告とは、「日々の取引を記録した一定の帳簿を備え、記帳し、その記録に基づき確定申告を行う制度」のことです。
青色申告を行うためには「正規の簿記の原則に従い制作された帳簿」が備え付けられていなければなりません。
簿記形式は「複式簿記」か「簡易簿記」の2つのうちどちらかでなければなりません。
そして青色申告を行う場合、白色申告との大きな違いの一つとして、青色申告を申請しようと考えている年度の3月15日まで(1月16日以降に新たに事業を開始した場合は事業開始から2ヶ月以内)に各書類の届け出が必要です。
書類の種類に関しては後述します。
青色申告のメリット
上記でも触れましたが、青色申告を行うと節税面で多くのメリットがあります。
そのうちの一つとして「青色申告特別控除」と呼ばれるものがあります。
これには2種類存在し「10万円控除してくれるもの」と「65万円控除してくれるもの」が存在します。
青色申告特別控除について(10万と65万円の条件の違い)
もちろん特別控除を受けようとする際には条件を満たしていることが必要です。
- 事業所得であること
- 帳簿の形式が複式簿記であること
- 損益計算書、貸借対照表が記載されていること
- 確定申告期日の厳守
65万円の控除を受けたい場合は複式簿記が必須です。帳簿の形式が簡易簿記の場合は10万円の控除しか受けられません。
副業での確定申告やり方を流れに沿って解説
以上が青色申告の簡単な説明です、ここからは確定申告を行う方法について簡単に解説していきます。
開業届提出(同時に青色申告)
上記の通り青色申告を行う際には各書類の提出が必要です。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
を所轄の税務署に提出する必要があります。
青色申告承認申請書は税務署内で貰うことができるので、開業届と印鑑(法人の場合は会社の印鑑、個人の場合は認印)を持っていきましょう。
帳簿をつける(とにかく入金と出金がわかるようにしておく)
青色申告の簿記を付ける際、入金と出金が明確になるように付けるようにしましょう。
事業で使用した物は領収書を貰うようにしたり、カード決済でデータを見やすくしておくと良いでしょう。
仕訳をする(水道光熱費・通信費など項目別に出金したものを分ける)
使用したお金を項目ごと(水道光熱費、通信費、交通費など)に経費として分けて記帳するようにしてください。
青色申告決算書を作る
作成した帳簿をもとに青色申告決算書を作成します。売上から仕入金額、経費など色々差し引いて所得金額を出します。
決算書に基づき申告書Bを記入する
令和1年分の確定申告から個人番号の記入が必須となりましたので記入忘れはしないようにしましょう。
扶養控除、医療控除などの項目も書き忘れのないようにしましょう。
副業の確定申告やり方で注意するポイント
副業で確定申告をする場合、注意すべき点が3つほどありますのでそれぞれ紹介します。
所得の種類を知っておく
自分が行っている事業の種類ごとに分けて申告を行いましょう。
事業の種類は以下の通りです。
- 事業所得
- 不動産所得
- 雑所得など
本業の給料も記入する
副業の確定申告ですが、本業の収入も立派な所得なので明記しなければ記入漏れとなってしまいますのでご注意ください。
源泉徴収税も書き忘れないこと
特に注意すべきは「源泉徴収税」の項目です。
ここを記入していないともう一度税金を取られてしまうことになるので、絶対に書き忘れる事のないようにしましょう。
アプリを使ったやり方
確定申告をするにあたり、基本的には手動で計算しなくてはいけませんが、それを肩代わりしてくれるアプリケーションも存在します。
有料だけど、使うと確定申告の手間が少なくなる
確定申告の計算はとても手間と時間が取られる面倒な作業ですが、アプリケーションを使用することによりその手間を軽減することができます。
freee
銀行の口座やクレジットカードなどから自動で明細を受け取ってくれるので、面倒な数値の入力が要りません。
書類作成の方法も必要項目に◯✖で答えるだけなので簡単です。
30日(およそ1ヶ月)無料で使用できます。
また確定申告の書類作成だけでなく、経費精算や決算書の制作も可能です。
法人向けと個人事業向け両方のプランが用意されています。
料金プランはスターター・スタンダード・プレミアムの3つの種類があり、年払いと月払いが選択できます。
各プランの違いや料金は以下のこちらのURLから確認できます。
弥生会計
弥生会計は1年間すべての機能が使える期間限定の無料プランがあり、パッケージ版・DL版、クラウド版が存在します。
確定申告に関するアプリだけでなく、給与計算などができるアプリも存在します。
こちらも銀行口座、クレジットカードなどと連携することが出来ます。
クラウド青色申告は、セルフプラン・ベーシックプラン・スタンダードプランの3つがあります。
セルフプランはお試しで1年間無料で使うことが可能です。
各プランの料金や違いは以下のこちらのURLから確認できます。
まとめ
いかがでしたか?
現在の経済状況は苦しいものがあるかと思います、そんな中で副業を始められた方にこの記事が少しでも手助けとなれば幸いです。
- 確定申告は収益が20万上がった個人事業主が行う
- 申告する際は事前に青色申告を申し込む
しっかり税金対策をして、無駄な出費を抑えコロナ禍を生き延びましょう。